ここは宇佐神宮仲見世にある、宇佐ブランドを唯一認証している宇佐飴のお店です♪
今回はなんと!宇佐飴を作っているところにお邪魔させていただきました!
宇佐飴を愛し、熱意と誠実さを持ち、努力家な四代目店主の岡部さんにお話を伺っています。
大分県の名産品、宇佐飴のできあがる工程と店内をご紹介します♪
「是恒商店」のアクセス・営業時間・駐車場等
アクセス
店舗情報
宇佐飴のお店の中で、唯一宇佐ブランド認証店の「是恒商店」
宇佐神宮仲見世通りを歩いていると、
名産宇佐飴「是恒商店」という看板が見えてきました。
是恒商店さんは宇佐飴のお店の中で唯一の「宇佐ブランド認証店」。
宇佐飴と、6種類のフレーバー(緑茶、クロダマルきな粉、杵築蜜柑、いちご、生姜、カボス檸檬)の宇佐ブランド認証を獲得しています。
こちらが認証マーク。宇佐神宮の鳥居のようなマークとUSAの文字。USAはもちろん宇佐です!!
宇佐飴の由来と、是恒商店さんのこだわり(すべて国産の原材料)
「八幡様のお乳飴」と言われる宇佐飴の由来とは?
「宇佐飴は安産の神とも言われる神功皇后が、皇子の応神天皇(八幡大神)を育てるときに母乳代わりにしたといわれている飴で「お乳飴」との由緒が伝えられています。」
神功皇后とは、宇佐神宮三之御殿におられる神様です。一之御殿におられる応神天皇(八幡大神)のお母様になります。
応神天皇(八幡大神)が実在したとすれば4世紀後半なので、その頃からいい伝えられてきたものとなり、とても歴史が古いものです。
また是恒商店の宇佐飴は、砂糖・添加物を一切使用せず、国内産の素材で作った身体に優しい飴です。
お子様のおやつにもおすすめですし、余ったらお客様によっては煮物の甘さをつけるのに使う方もいらっしゃるようです。
椎茸やひじきの煮物、おせち料理の煮しめに。またアラ炊きなどに使う方もいて、佐伯市のお寿司屋さんでも宇佐飴を料理に使っているお店もあるとか。
ちょっと溶けにくいけど、コーヒーに入れる人もいるそうです。
「是恒商店」三代目店主から四代目店主へ受け継いだ岡部さん
是恒商店が宇佐神宮仲見世通りに移転してきたのは昭和16年。以前は別の場所で経営をしていたそうです。
実は宇佐神宮仲見世通りができたのも昭和16年らしく、最初はこの是恒商店さんと、あと2つのお店、合計三店舗しかなかったそう。
四代目の店主である岡部さんは、豊後高田市の岡部商事で専務取締役をされている方で、完成した商品のアンテナショップを探していた時に、宇佐神宮の是恒商店さん、三代目のご兄弟からご連絡があったそう。
その後三代目店主とお会いして、そのお話の中で、三代目の店主がご病気のため、このお店を閉めると考えていることを聞きます。「宇佐飴を広めたこのお店を終わらせてしまってはいけない!」と思った岡部さんは、このお店を継がせてほしいと伝えたそうです。
料理もしたことがなかったという岡部さんでしたが、この宇佐飴を守りたい、誰かが継がないといけないという強い気持ちがあったようです。
そこから、三代目店主に教えてもらい修行をしたのち、四代目店主として製造・販売を始めました。
誰かが継がないといけないと思ってもなかなかできることではありません。本当に素晴らしい出会いだと思います。
宇佐飴を作る工程
ここからは宇佐飴を作る工程をご紹介します。今回特別に見せていただきました。
写真奥にあるのが水飴を温める鍋。そして手前のテーブルの上にあるのが、かんしょでんぷんの入ったばんじゅう(木のトレイ)です。
そしてこちらが飴を引く機械。
宇佐飴の原料になる水飴です。こちらは麦芽から作った水飴。
一口いただきました!すごく優しい甘さ。口に含むとゆっくりと優しい甘さがやってきます。
こちらがもち米で作った水飴です。
一口いただくと…甘い!!麦芽で作った水飴よりも甘いです。
是恒商店さんではこの2つを配合して宇佐飴を作っているそうです。麦芽の水飴は甘さ控えめ、もち米の水飴は甘さが強めなのに加えて、水飴の硬さも両方で違い、色も違うので、ちょうどいい飴の甘さや硬さになるように配合します。
配合は決まった分量ではなく、季節ごと、気温湿度ごとに毎日違い、手作業で触ったり香ったりして、作業時間を決めるそうです。
なるべく夏はエアコン、冬はストーブで部屋の温度を一定に保つようにしていますが、完全に同じ環境というわけにはいかず、毎日状態を確認しながら作っていきます。
まず水飴をこちらの鍋へ入れます。この日はもうこの作業は終わっていたので空になっています。
大体1時間くらい水分を飛ばします。温度はMAXで180℃になるとか。色を見て香りを確認して、水に入れて触って飴の状態を見ます。
そして今日の飴の状態が決まったらばんじゅうに引き上げます。
黄金色の飴をかんしょでんぷんの中に入れて、均一に冷やします。
かんしょでんぷんとは、さつまいものでんぷんのことです。これももちろん国産です。
とても熱いため、触れるくらいになったら一度折り返し、
かんしょでんぷんをしっかりと取り除きます。
この取り除く作業をしないと、飴の中にかんしょでんぷんが入ってしまって美味しくなくなるそうです。
この手間が結構大変なようですが、このかんしょでんぷんを取り除く作業を怠ると味を台無しにしてしまうので、丁寧におこないます。
何度か折り返して同じ作業を繰り返し、手で温かさを確認してから次の作業に入ります。
飴を引く機械にかける作業です。引っ張って空気を入れていきます。
空気を入れるのは口溶けがよくなるからだそうです。
ぐるぐるとレバーが周りだし、飴がどんどん引かれていきます。
そして空気が入って色も変わっていきます。
黄金色だった飴が白色に近くなってきました。
引き終わったら次は飴を切る工程に入ります。ここまですべてが感覚勝負だそうです。
もち米の水飴が入っていると、真っ白ではなく少し黄色っぽい色合いになるそうで、たしかに少し黄色がかっていますよね。
引いたばかりのできたての飴をいただきました。
硬くなる前に急いで撮ったので写真がブレブレですが…まだ少し柔らかい飴をいただくと、いつもの宇佐飴と違うふわふわの飴。
美味しい!これは本当に贅沢!!飴はすぐに硬くなってくるので、できたてホカホカの貴重な宇佐飴です。
麦芽の水飴ともち米の水飴の絶妙なバランス。できたてをいただけて幸せを感じます。
そして次は台の上で飴を切る作業です。
台の上で空気を潰さないように丸めていき、
伸ばしていきます。
空気を潰さないように、棒状に伸ばします。
このくらいの太さになればどんどん切っていきます。
素早くしないと飴が硬くなるので、二人がかりです。
表面が少しボコボコしているのは、せっかく入れた空気を抜かないように伸ばすから。
これは「飴肌(あめはだ)」といい、表面がボコボコしているほうが鮮度が良いそうです。
宇佐飴は天然のものなので、気温によっては形が崩れるらしく、繊細だけどそれが本物の証だということ。
ただ柔らかすぎても商品にならないので、飴の硬さにも岡部さんはしっかり気を配って作っています。
手早くチョキチョキ切っていきます。てこの原理で切っていくそうです。
この切っていく作業が本当に速いんです!!
どんどんどんどん切っていき、あっという間に終わりました!
そして最後はハサミで切った後の、少し尖った角が取れるように、飴を手でゴロゴロと転がします。
アップで見るとこんな感じですね♪美味しそうな宇佐飴ができあがりました☆
できあがりです!!かんしょでんぷんを落としながら、袋に入れたら作業が終わりです。
この工程をほぼ毎日2回から5回しているそうです。
機械で引く以外はすべて手作業ですので大変な作業ですが、代々受け継いできた技を大切に守っています。
ちなみに、四代目店主の岡部さんから聞いた、岡部さんの大好きな食べ方は、500ワットのレンジに10秒かけると、できたてのような、もちもちふっかふかになるそうです♪
家でやってみましたが、たしかにとろけるような絶妙な飴になりました!皆さんもぜひやってみてほしいです♪
私がした方法は、ラップの上に飴を置いてレンジにかけ、かけ終わったらすぐ口に入れました。熱くなってるかもしれないので気をつけてくださいね!
ちなみにこれは何かというと…実は私が切りました♪楽しかったです!
店主が切るよりもちょっと小さい気がしますが、まあご愛嬌ということで!
私が切ったものをお店の袋に入れてくださいました。感激です!!本当にありがとうございます♪
店舗に並べられた宇佐飴やフレーバー宇佐飴、その他のお土産
ここからは店舗内をご紹介します♪
店舗右側には、通常の袋に入った宇佐飴が並んでいます。通常の袋というのは、もう一つミニサイズの宇佐飴も売っているのでそのように書きました。
ミニサイズは後ほどご紹介します♪
こちら、定番の宇佐飴です。大入り袋のような感じです。宇佐ブランド認証品マークもしっかり入っています。
ピーナッツ飴です。こちらも定番だと思います。ピーナッツの香りがして美味しいんですよ。
その他には、宇佐飴のフレーバータイプ。フレーバータイプは20種類ほどあり、常時並んでるのは15種類ほど。
季節限定があるようで、夏と冬で変わるそうです。
糖尿病で砂糖を取れなくなったお客様がコーヒーに砂糖を入れられなくなったため、コーヒー味の宇佐飴はないか聞いてこられて、そこでフレーバータイプを初めて考案したそうです。
三代目店主と四代目店主の岡部さん、お二人ともブラックコーヒーがお好きとのことで、初めに作ったのは濃いめのフレーバーだったそう。
お客様から「これはちょっと濃すぎる」と言われ、北海道産の生乳を入れたところ大好評。
それが珈琲宇佐飴になり、さらにそのお客様には濃すぎたコーヒー宇佐飴は、美味しかったためエスプレッソ宇佐飴として残ったそうです。
そこからフレーバーはどんどん増えていき、現在では20種類ほどになりました。
最近ではインスタグラムで新しいフレーバーを募集したり、国東市の安永醸造さんからご連絡がありコラボをしようとなり、宇佐飴にお醤油を混ぜることで「みたらし味」にしたり、渡邉こうじ屋さんの麹を混ぜて甘酒味にしたりと、種類豊富な宇佐飴が増えています。
砂糖が入っているのは、「ピーチティー」と「ロイヤルミルクティ」のみで、もともと砂糖が入っている原料を使っているからだそうで、他のフレーバーには砂糖は使っていないそうです。
こちらの写真、上の段にあるまめいたは、パリパリ噛んで食べたい人用に作ったもの。
生姜やごまなどが入っていてパリパリ食べられます。生姜は臼杵市の臼杵煎餅で有名な、後藤製菓さんと同じ生姜を使っているそうです。
まめいたには砂糖が入っているようですが、一つ琥珀という商品だけはラカントで甘みをつけています。
こちらは板飴です。宇佐飴と同じ原料ですが、伸ばす時に空気が板状になっていて、空気の入り方が違う分口溶けが違うそうです。
こちらは店舗の正面にある棚。
棚の左側には宇佐飴の試食があります。こちらぜひ選ぶ際に食べてみてください!
お好きなフレーバーがあると思います♪
こちらの袋は少し小さめの宇佐飴が置かれています。
四代目店主さんの夢は、「宇佐神宮にきたら宇佐飴買って帰ろうね!」ブームを作りたいということ。少し小さめの宇佐飴を販売することで、お客様に気軽に買っていってほしい。そして「宇佐神宮に行ったよ!」と言って宇佐飴をお土産に配ってほしい。
そう願って小さいサイズも販売しているそうです。
パッケージもかわいく、ちょっとしたお土産にも喜ばれそうですよね!
ちなみにパッケージデザインはなんと、店主様がしてらっしゃるようです。センスがあってすごいと思いました!
そのほかにも店内には大分のお土産や、
店主さんの所属する岡部商事さんの商品、
ドレッシングや柚子ごしょう、
とりてんせんべいなど、
長崎カステラ、
宇佐市のお土産なども販売しています。
購入した宇佐飴
そして購入した宇佐飴をご紹介♪
実はすべてを購入したわけではなく、四代目店主の岡部さんからいただいたものも…。
本当にお世話になりました!!
こちら定番の宇佐飴。もち米の水飴の甘さが引き立つ商品です。
そして板飴。通常の宇佐飴とは違って、伸ばす時に空気が板状になっていて空気の入り方が違うので、口溶けの違いを比べてみてください。
そしてかぼすフレーバーの宇佐飴です。
本当にそのままかぼす味。口に入れたときは少し違う味がする気がしますが、だんだん舐めているとかぼすが出てきます。美味しいです。
豊後高田産の柿の葉を使用した宇佐飴です。
四代目店主の岡部さんの所属する会社、岡部商事さんで柿の葉を使った商品があるそうで、その葉を加えたもの。
柿の葉はビタミンCが豊富とのことで、女性の店員さんのお話によると、ビタミンCが壊れにくい性質があるそうです。
柿の葉の香りがして美味しい宇佐飴です。
こちらは臼杵市の臼杵煎餅で有名な後藤製菓さんと同じ生姜を使用したまめいた。
パリパリ食べられて、胡麻と生姜の味でこれも美味しいです。
宇佐飴とはまた違った感じで食べられます。
そして最後はミニサイズの宇佐飴緑茶フレーバーです。
宇佐産の千財茶を使用しているそうで、緑茶の香りがすごく良い宇佐飴です。
食べたらわかるのですが、とても美味しいお茶を使っているようです。
フレーバー宇佐飴ってどうなのかな?と思いましたが、食べてみるとすごく美味しいものばかり。
天然の食材を使っていますし、体に優しく、罪悪感なく食べられます。
まとめ
今回は、宇佐市宇佐神宮仲見世にある「是恒商店」さんで取材をさせていただきました!
四代目店主の岡部さんとお話ししていると、宇佐飴への情熱や広めたいという想いが伝わってきて、本当に宇佐飴を愛しているんだと感じました。
たくさんお話を伺いましたが、四代目店主の岡部さんと、もう一人スタッフの方がいらっしゃって、二人とも気さくでとても楽しく取材をさせていただけて、宇佐神宮に来たら寄っちゃいたい、そんな雰囲気のある方々でもあります。
地元の子供が学校から帰るときに「是恒商店」さんに来たら飴を無料であげるそうで、さらにゴールデンウィークのこどもの日には、詰め放題のイベントをしているということで、地域貢献にも積極的に参加し、本当にすごい人だと思いました。
東京のアンテナショップなどでも期間限定で販売したり、幅広く活動している岡部さん。
熱意と情熱で宇佐市に、大分に貢献している姿は本当に頼もしいと思いました。
次回は「是恒商店」さんの宇佐飴を使ってクッキーサンドを開発したという「ぶどうの森」さんもご紹介したいと思います♪