「臼杵の石仏」は平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたと言われていますが、誰がどのような目的で造ったのかはわかっていません。
1995年(平成7年)には、磨崖仏(自然の岩壁等に造立された仏像)では全国で初めて、彫刻としても九州初の国宝に指定されました。その数は、60余体にもおよび、このうち61体が国宝となっています。
それではご紹介します!
「国宝臼杵石仏」のアクセス・駐車場等
アクセス
施設情報
小人(小中学生)270円
【2施設共通券(臼杵石仏・稲葉家下屋敷)】
大人 710円
小人 350円
【4施設共通券(臼杵石仏・稲葉家下屋敷・野上弥生子文学記念館・吉丸一昌記念館)】
大人 1,140円
小人 560円
※臼杵石仏・稲葉家下屋敷・野上弥生子文学記念館・吉丸一昌記念館のどちらの観光施設でも購入可能
臼杵市おもてなし観光課:0972-64-6080
(10月〜3月までは18:00まで)
※2021年2月時点では16:30までの入場、17:00に閉まりました。ご注意ください
ガイド料:無料
所要時間:約1時間
申込先:石仏事務所
※3日前までにご予約ください
電話受付時間(8:30〜17:00)
チケット売り場と近辺のお店
臼杵の市街地から車で10分ほどのところにある「国宝臼杵石仏」。
こちらはチケット売り場です。チケットはこちらでも買えますが、「2施設共通券」か「4施設共通券」を持っていればここのチケット売り場には行かず、奥の石仏入口へ直接行くことが可能。入り口でチケットを渡せば入ることができます。
観覧料です。
車椅子やベビーカーの貸出もしています。
チケット売り場のお隣は「臼杵市観光協会直営売店」。こちらの売店は臼杵の代表的なメーカーである「フンドーキン醤油」や「富士甚醤油」などのお土産物の販売や、臼杵煎餅の販売。また、石仏の御朱印なども販売しています。
こちらは季節限定の御朱印になります。頒布期間は令和3年3月1日(月)~令和3年5月末まで。ピンクの桜模様がかわいい御朱印ですね。
上記2枚の写真は「臼杵石仏事務所:0972-65-3300」の方に使用許可を直接いただきました。ありがとうございます!
そしてそのお隣にも建物があり、「石仏会館」は「後藤製菓」さんの工場。右側の「後藤製菓」と書かれている建物は、「後藤製菓」さんの商品や大分のお土産が置いてる販売所です。
「後藤製菓」さんの商品では「臼杵煎餅」がとても有名。工場では事前予約で工場見学ができるそうです。
お店の前にある看板を見て気がついたのですが…、
ものすごく臼杵煎餅推し。「後藤製菓」さんは臼杵煎餅の関連商品の「臼杵せんべいソフト」に「臼杵せんべいサブレ」。「臼杵せんべい愛す(アイス)」や「うすきせんべい生サンド」等、多数販売していました。
また、臼杵市ゆるキャラ「ほっとさん」の安定のかわいさ。本当にかわいくて癒されちゃいます♡
チケット売り場を出て臼杵石仏に向かう途中にあるこの「臼杵石仏観光センター」。こちらは売店やレストランのあるお店で食事もできます。ただ今はコロナの影響もあり、土日のみの営業のようです。
「3月19日(金)から平日も開くかも」というお話のようですが、行かれる方はお電話で事前にご確認することをお勧めします。
臼杵石仏めぐり
ホキ石仏第二群
川沿いを歩いていくと建物があります。ここでチケットを渡し中に入ります。見学所要時間は大体20,30分ということでした。
臼杵石仏以外にも「石造五輪塔」や「日吉神社」があり、そちらに立ち寄るともう少し時間がかかります。
臼杵石仏の説明の看板です。簡単に説明すると、
- 臼杵磨崖仏は「ホキ石仏第一群」「ホキ石仏第二群」「山王山石仏」「古園石仏」の4群に分かれた61体の仏像がある。
- 平安時代末期から鎌倉時代末期に造立。
- この地域が藤原氏の流れをくむ「九条家」の所領であり比叡山延暦寺と深い関係を持っていたことから、一流の仏師が臼杵に派遣されたと考えられている。
その他にも満月寺や日吉社についても書かれていますが、そこは割愛します。
実際のところ、なぜ彫られたのかは詳しくはわかっていないのですが、歴史がとても古く、今なお残っていることが素晴らしいと思います。
まず初めに「ホキ石仏第二群」を目指して歩きます。
建物が見えてきました!ここが最初の地点「ホキ石仏第二群」です。ここは「2龕(がん)」からなります。
臼杵の石仏では各石仏の近くに音声ガイドの看板があります。こちらをスマホなどで読み込むことでガイドを聞くことができます(この写真はQRコードを読み込まないように加工しています)。
第1龕(がん)は「阿弥陀三尊像(あみださんそんぞう)」です。臼杵石仏の中で最も優れた石仏の一つです。平安後期頃の作。
第2龕(がん)は「九品の弥陀像(くぼんのみだぞう)」。比較的小さな9体の阿弥陀如来像が刻まれています。平安末期頃の作。
そして次は「ホキ石仏第一群」に向かいます。
ホキ石仏第一群
階段があります。
看板があり、「順路2,3」と「順路4」があるので、「順路2,3」の「ホキ石仏第一群」を目指します。
こちらの階段を上がっていきます。自然豊かでウォーキングもできて石仏に癒される。日頃のストレスを癒すにはもってこいの場所ですよね!
着きました。そしてこの階段を登れば、
「ホキ石仏第一群」、ここは4龕(がん)からなります。
第1龕(がん)。中央の三体は如来坐像、両脇には菩薩立像2体です。平安末期頃の作。
第2龕(がん)は、阿弥陀如来坐像、薬師如来坐像、如来坐像の3体。三尊とも傑作で平安後期の頃の作のようです。
こちらは第3龕(がん)と第4龕(がん)です。左が第3龕。中央が金剛界大日如来、右に釈迦如来、左に阿弥陀如来が並んでいます。台座の円や四角の孔(あな)には、経巻等を納めていたと言われています。平安末期頃の作。
右の第4龕は、中央に地蔵菩薩、十王像の全11体です。地蔵菩薩は錫杖を持たず、右足を座し左足を立てている様子は古い様式で珍しいようです。鎌倉期の作。
そして次は「山王山石仏」へ向かいます。
石造五輪塔
「山王山石仏」へ向かう途中に「石造五輪塔」という看板を発見!!ちょっと寄り道しちゃいます♪「ここから130m」ということなので、まあそんなに大変じゃないでしょう。ということで登ってみました!
と思ったら…結構勾配の急な坂道がずっと続いていてきつかった!!!ここの道から段々坂道がきつくなっていきます。
登った時には息があがってました…。ほんといい運動になる!!(前向き)
国の特別史跡と重要文化財の2重指定を受けた「石造五輪塔」です。建立時期が刻まれたものとして、日本で2番目と3番目に古いとても貴重なものだそう。
それでは今来た道を降りて、今度こそ「山王山石仏」に向かいます。
山王山石仏
元の道に戻り進みます。看板が目印!
今度は途中で日吉神社に行く階段がありました。なんでも願いを叶えてくれる小さな仏像様がいるらしいです。
今回時間がギリギリだったためこちらは行かなかったのですが、観光の際はこちらも登ってみてください!
そして着きました。こちらが「山王山石仏」。階段がかなり急なので気をつけて登ります。
かなり大きい石仏。中央は丈六の如来像。左右に脇侍の様に如来を囲む如来坐像が2体。ほっぺたがぷっくりしていてなんだかかわいらしい仏像です。和みます。平安後期頃の作。
そして次は最後の「古園石仏」に向かいます。あっ、階段を降りる時は気をつけて!!
古園石仏
看板があるのでそのまま進みます。
「古園石仏」の前にあるこの岩。実は「金剛力士立像」が彫られています。
これは説明がないとなかなか気がつかないところ。こちらも国宝に追加指定されているようです。
こちらが最後の名所「古園石仏」です。読み方は「ふるぞのせきぶつ」。ここが一番広く、臼杵石仏の中心的存在、大日如来像が安置されています。
臼杵煎餅といえばこの石仏!というほど、ものすごく見たことのある石仏ですよね。親近感がすごいです。
この大日如来像は日本の石仏の中でも最高傑作の一つ。切長の目に引きしまった口元が端正で気品あふれる石仏です。
製作年代は平安後期頃。崩落した頭部が仏体下の台座に安置されていましたが、1980年から1994年までの14年間、保存修復工事が行われ復元されました。
1995年に磨崖仏では全国で初めて、彫刻においても九州で初めて国宝に指定されました。国内外で文化遺産として高い評価を得ています。
小さい頭のみがたくさんありました。元々下に安置されていた頭が修復されたため、首が繋がる=リストラされないといわれ、参拝すればご利益があると言われるようになったそうです。
後ろを振り向くと臼杵石仏公園のとても素晴らしい景色!山に囲まれていて石仏がたくさんあり、本当にパワースポットだと感じます。
参拝時には祈願することができます。お願い事がある方はテーブルに祈願用紙が置いてあるので、そちらに書いて祈願箱に入れましょう。
この時は17時に閉まったため、このまま下に降りて少し公園を散策。庭園奥の池では7月にはハスの花畑なども見られます。また、石仏を挟んだ反対方向の場所には「満月寺」や「仁王像」等もあるので次回来たときは寄ってみたいと思います。
まとめ
「臼杵観光4施設共通券」を使って「国宝臼杵石仏」に行きました。
平安時代後期から鎌倉時代に彫刻されたと言われている「臼杵の石仏」。その歴史のある佇まいは訪れる人の心を穏やかにさせてくれます。
61体が国宝となっているので、大分県臼杵市の歴史的で貴重な石仏を見に行きませんか?きっと癒されること間違いなしです。